環境共生という言葉が住宅という分野にあてはめられ、語られるようになって久しくなるが、住宅に携わる我々にとっても最も身近で重要な課題と言える。
この住宅は大阪府茨木市の緑に囲まれた高台の住宅地に計画を依頼されたものである。緑にあふれた環境の中でいかに調和するか、そして省エネルギー等のハード面はどう建物に組み入れるかの2つの視点からこの「環境共生」というテーマに取り組んだ。南に向かって大きく傾斜し、南側に母屋が建っており、今回はその母屋を残して北側の斜面に地下1階、地上2階の住宅を計画した。内部空間は屋根を支えている大型トラスを中心とする木の構造体をそのまま「あらわし」として、内部空間が外部の自然環境と違和感なく連続することにより空間に広がりを与え、また外部のデザインも木の素材をふんだんに使い外の情景に調和するように配慮した。斜面の中に半分埋め込まれた地下部分は土とイメージのつながるRC打放しとし、大地の中からスムーズに上部へ連続している。
ハード面では屋根を南面に向けた単純な切妻屋根として、その上に太陽光発電パネルを取り付けることにより、月平均3.02kwの発電を可能にしている。家の中央には大きな吹抜を持つリビングルームを配し、冬は外部からの光をいっぱいに室内に取り込み、夏は熱せられた空気を上部から排出するシステムを取り入れて省エネに配慮した。木を切り倒し、建築材料として使用することは確かにある意味では環境破壊言えるかもしれない。しかし、緑の中に鉄やコンクリートの建物を単純に建てるということはある種暴力的とも言えるし、それらの材料を作る過程にも多大なエネルギーを必要とする。どこか遠い場所で切り出された木々は、このささやかな緑に囲まれた場所で自然に調和しつつ「住宅」という形で再生され、家族の夢を包み込むように建ちつづけることだろう。我々はこのことに「環境共生」の意味を見い出している。
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